睡眠と体内時計

快適な睡眠について
適正な睡眠時間って?
睡眠力と睡眠物質
睡眠力に影響大?体内時計
体内時計と睡眠における体温や血圧
体内時計と朝の光の関係って?
体内時計に影響を及ぼすもの
などを分かり易くご紹介しています。

適正な睡眠時間って?

人生の3分の1は睡眠と言われていますが、日本人の睡眠時間は年々減少傾向にあります。
特に45から49歳の働き盛りのときに睡眠時間は一番短くなっています。
睡眠時間は、合計が5時間未満は、短時間睡眠と呼ばれ健康に影響が出てきます。特に4時間30分以下の日が続くと肉体的にも精神的にもつらい状況に陥るとされています。
睡眠時間には、個人差がありますが、統計的に7時間前後がもっとも長生きする睡眠時間とされています。

睡眠力と睡眠物質って?

睡眠は、いろいろなホルモンを分泌し、体や脳の回復にかかせませんが、どういう仕組みで眠くなるのでしょうか?
実は、自分で眠ろうとしても眠れるわけではなく、睡眠物質といわれる物質が一定量分泌されることによって眠たくなり、睡眠に入ります。
つまり、睡眠力は、この睡眠物質がうまく分泌されることによって引出されます。
逆に睡眠物質がうまく分泌されないと睡眠力が生まれず、不眠の原因となります。

睡眠力に影響大?体内時計

睡眠物質は、睡眠力に大きな影響を及ぼします。
では、この睡眠物質は、どこから影響をうけるのでしょうか?
睡眠物質のメラトニンというホルモンは、脳の中心部分にある松果体というところから分泌されますが、この指令を出しているのが、体内時計です。
この体内時計は、目の後ろの視交叉上核というところにあります。
体内時計が松果体に出す通常指令は、「夜からだんだん睡眠物質のメラトニンを出すように、そして深夜に最大量になるように、そして、朝にはなくなるように」といった具合に命令されます。このため、夜になるとだんだん眠くなり、深夜はぐっすり、朝になると目覚めてくるようになります。
しかし、この体内時計が狂い始めるとこの指令にずれが生じ始め、夜眠くならなかったり、朝起きれなかったりするようになります。

体内時計と睡眠における体温や血圧

体内時計は、体温や血圧などを調節する自律神経などにも影響します。そして快適な睡眠には、体温や血圧が深く関わっています。
体温は、目覚める前から上がり始め、活動するためのウォームアップを始めます。そして夕方ぐらいまで上がり始め、寝るころにはだんだん下がり始めます。眠っている間は、体温が下がり、脳や体がクールダウンし休息を取ります。
このサイクルが崩れると夜なかなか寝つけなかったり、朝に体温が上がらず、ウォームアップされていない状態なので、朝がだるいし、なんだか寒いと感じるようになります。
血圧は、睡眠中に下がり、午前2時から4時ごろもっとも下がり体の休息を促します。それから朝に起きるころに向けて上がり始めます。
早朝に心筋梗塞や脳卒中が多いのは、このためと言われています。
このように体内時計は、睡眠における体温や血圧と深く関わり、睡眠力に大きく影響しています。

体内時計と朝の光の関係って?

体内時計は、睡眠にとって重要な睡眠物質や体温、血圧などに影響を及ぼしますが、その周期は、一日25時間で動いています。
つまり、何もしないと一日一時間のズレが生じてしまう時計なのです。
快適な睡眠に多大な影響を及ぼす体内時計のズレは、体の健康や健全な精神にとって大変大きな問題ですが、このズレを修正してくれるのが「朝の光」です。
目の後ろの視交叉上核というところにある体内時計は、目から入ってくる朝の光をとらえて、一時間のズレを修正し、24時間に合わせているのです。

体内時計に影響を及ぼすもの

快適な睡眠にとって重要な体内時計ですが、いろいろなものに影響を受けます。
体内時計と朝の光の関係でご説明させて頂いたように光は、体内時計に影響を及ぼしますが、人口の光にも影響をうけます。
例えば、寝る前にスマホでラインやメールなどをしているとスマホ画面からの光に、体内時計が影響を受け、睡眠物質のメラトニンの分泌がうまくされず、なかなか寝つけない状態になったりします。
他にも体内時計は、音や振動、温度や湿度、飲酒や食事などに影響を受け、くるいが生じます。
なかなか寝つけなかったり、朝だるかったりして快適な睡眠がとれていないなと感じた場合、これらの体内時計をくるわせる生活習慣や環境などをリストアップし改善していくのも良い方法です。